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外国人技能実習生の「搾取」はなぜ起きるのか

  • 執筆者の写真: ドクターエージェント 株式会社
    ドクターエージェント 株式会社
  • 7月9日
  • 読了時間: 6分
日本の人手不足は、もはや一部の業界だけの問題ではありません。製造業、建設業、介護、農業、食品加工、宿泊業など、多くの現場で外国人材の力が欠かせない時代になっています。

しかしその一方で、外国人技能実習生をめぐっては、長年にわたり「低賃金」「高額な借金」「転職のしにくさ」「失踪」「人権侵害」といった問題が指摘されてきました。

特に注目すべきなのが、来日前に実習生が母国の送り出し機関や仲介者へ支払う高額な費用です。出入国在留管理庁の調査では、来日前に支払った費用総額の平均は約54万2,311円、さらに母国で借金をしている技能実習生は約55%に上るとされています。ドクターエージェント代表取締役金田一成

失踪者問題から考える、これからの外国人材受け入れのあり方

日本の人手不足は、もはや一部の業界だけの問題ではありません。製造業、建設業、介護、農業、食品加工、宿泊業など、多くの現場で外国人材の力が欠かせない時代になっています。

しかしその一方で、外国人技能実習生をめぐっては、長年にわたり「低賃金」「高額な借金」「転職のしにくさ」「失踪」「人権侵害」といった問題が指摘されてきました。

特に注目すべきなのが、来日前に実習生が母国の送り出し機関や仲介者へ支払う高額な費用です。出入国在留管理庁の調査では、来日前に支払った費用総額の平均は約54万2,311円、さらに母国で借金をしている技能実習生は約55%に上るとされています。

つまり、多くの実習生は「日本で働く前」から大きな借金を背負って来日しているのです。

失踪外国人派遣

「失踪」は本人だけの問題ではない

技能実習生の失踪という言葉を聞くと、単純に「本人が逃げた」「ルールを守らなかった」と受け止められがちです。

しかし実態は、そう単純ではありません。

実習生の中には、来日前に多額の費用を支払い、借金を抱え、家族への仕送りもしなければならない人がいます。日本に来れば十分に稼げると期待していたものの、実際には思ったほど残業がない、手取りが少ない、生活費が高い、職場環境が合わない、相談できる相手がいない――こうした状況が重なることで、追い詰められていくケースがあります。

2021年には技能実習生の失踪者が7,167人に上りました。その後も失踪問題は続いており、令和6年の技能実習生の失踪者数は6,510人とされています。前年より減少したとはいえ、依然として大きな社会問題です。

失踪は、本人にとっても、受け入れ企業にとっても、社会にとっても不幸な結果です。だからこそ、問題が起きてから対応するのではなく、最初の受け入れ段階から「適正な制度設計」と「生活支援」を行うことが重要になります。


問題の根本は「安い労働力」として見てしまうこと

技能実習制度は本来、国際貢献や技能移転を目的とした制度です。厚生労働省の資料でも、技能実習制度は開発途上国等の外国人を一定期間受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度と説明されています。

しかし現実には、人手不足を補うための労働力確保の手段として利用されてきた側面があります。

ここに大きなズレがあります。

外国人材を「安く雇える人材」として見る企業は、これから選ばれなくなります。逆に、外国人材を「共に働く仲間」「将来の戦力」「会社を支える人材」として受け入れる企業は、今後ますます強くなります。

これからの外国人材受け入れで大切なのは、単に人を紹介して終わりではありません。

採用前の説明、在留資格の確認、仕事内容との適合性、給与条件の透明性、住居、通訳、生活サポート、入社後のフォロー、職場での相談体制まで含めて、総合的に支援することが必要です。


技能実習から「育成就労」へ。制度は大きく変わる

日本政府は、技能実習制度を見直し、新たに「育成就労制度」を創設する方向へ進んでいます。改正法は令和6年6月21日に公布され、一部を除き令和9年4月1日に施行予定です。

育成就労制度では、これまでのような「国際貢献」という建前だけではなく、人材育成と人材確保をより現実的に捉えた制度設計が進められています。出入国在留管理庁のQ&Aでも、育成就労制度は原則3年間の就労を通じて人材育成を行う制度と説明されています。

つまり、これからの外国人材受け入れは、制度上も「ただ働いてもらう」時代から、「育てて、定着してもらう」時代へ変わっていくのです。

企業側にも、これまで以上にコンプライアンスと支援体制が求められます。


企業が確認すべき5つのポイント

外国人材を受け入れる企業は、次の点を必ず確認する必要があります。


1. 送り出し機関や紹介ルートは適正か

現地で不透明な手数料が発生していないか。本人が高額な借金を背負っていないか。来日前に仕事内容や給与条件が正しく説明されているか。

ここが不透明なまま受け入れると、入社後のミスマッチや失踪リスクにつながります。


2. 在留資格と仕事内容が合っているか

外国人材は、在留資格によって働ける業務が異なります。「人柄が良いから」「日本語が話せるから」という理由だけで採用してしまうと、在留資格上の問題が起きる可能性があります。

採用前に、業務内容と在留資格の適合性を確認することが必須です。


. 給与・控除・生活費を事前に説明しているか

外国人材にとって重要なのは、額面給与ではなく「実際に手元に残る金額」です。税金、社会保険、家賃、光熱費、食費、送金額まで含めて、生活設計ができるように説明する必要があります。

「聞いていた話と違う」という不信感は、離職や失踪の大きな原因になります。


. 入社後の相談窓口があるか

仕事の悩み、生活の悩み、人間関係、体調不良、役所手続きなど、外国人材が困ったときに相談できる体制が必要です。

特に日本語が十分でない人材の場合、通訳や生活サポートの有無が定着率に大きく影響します。


5. 外国人材を「労働力」ではなく「人材」として見ているか

最も大切なのはここです。外国人材を単なる人手不足対策として扱う企業は、長期的には人材が定着しません。

一方で、教育し、評価し、生活を支え、キャリアを考える企業には、人が残ります。

外国人材の採用は、安さの競争ではありません。信頼の競争です。


これから選ばれる企業は「適正に受け入れる企業」

日本で働く外国人にとって、職場選びの目線は確実に変わっています。

円安により、日本で働く経済的メリットは以前より弱まっています。さらに、SNSや口コミによって、企業の評判や労働環境は国境を越えて共有される時代です。

つまり、外国人材から選ばれる企業になるためには、給与だけでなく、安心して働ける環境、相談できる体制、適正な雇用管理が必要です。

人材不足だから外国人を雇う。それだけでは不十分です。

外国人材に選ばれる会社になる。外国人材が長く働きたいと思える会社になる。その視点こそが、これからの企業経営に求められています。


ドクターエージェントの考え方

ドクターエージェントでは、外国人材の採用において、単なる人材紹介や派遣だけではなく、コンプライアンスと定着支援を重視しています。

外国人材は、在留資格によって働ける業務が異なります。また、国籍、文化、日本語能力、生活環境、本人の希望によって、適した職場も変わります。

だからこそ、企業側の人手不足だけを見るのではなく、外国人材本人が安心して働けるか、長く定着できるか、法令上問題がないかを総合的に確認する必要があります。

外国人材の受け入れは、これからの日本企業にとって重要な経営戦略です。しかし、やり方を間違えれば、企業の信用を失うリスクにもなります。

これからの時代に必要なのは、安易な採用ではなく、適正な採用です。そして、採用して終わりではなく、定着まで支える仕組みです。

外国人材の採用、派遣、在留資格、受け入れ体制でお悩みの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

ドクターエージェントは、外国人材と企業の双方にとって、安心できるマッチングと定着支援を目指します。

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